Chapter3 POST3.11
コンピュータに関わるものとして
次の震災に備えて
一口に東北というが、それが如何ほどの広さなのか、認識できているだろうか。仙台から青森までの距離は、仙台-東京間と同等である。今回の震災では、この広い東北に留まらず関東北部から北海道南部までが被災したのである。距離にしておよそ1200km。そのまま西へと置き換えてみれば、東京-博多間に相当する! とんでもなく広範囲であり、予測される東海・東南海・南海地震の範囲よりもさらに広いのだ。
また、もしこの地震では大都市圏が多いだけに被害はさらに甚大で、阪神大震災級火災の後に東日本大震災級津波が来ると言われる。九州全土にまで津波が広がる懸念もある。これではもう既存の防波堤や堤防は役に立たない。道路は川となり津波は高速で深部まで押し寄せる。しかるに自治体の半数以上が国の対応待ちだという。それでよいのか? 国も手をこまねいている訳ではないが民間の対応は早く、既に工場の移転や避難用ビルを計画し始めたところもある。だが、被害規模を考えれば、それはやはり国や自治体の仕事だ。阿部社長の言葉ではないが、国策とせねばならないはずだ。
地震翌日の衛星写真に東北一帯の光はなかった。東京・名古屋・大阪の三大都市が壊滅、横浜・神戸・岡山・広島、さらには九州までも光を奪われたら、日本は一体どうすればよいのだろう。東日本大震災での教訓は如何に?
被災していない人にとっては、例え地元であっても既に風化した今回の震災。ましてや数百キロの距離と半年の月日は、忘却を余儀なくする。しかし、これはどこか遠いところの過去の出来事ではない。明日、あなたの街で起こるかもしれないのである。